中国ではすでに顔認証システムを使って近未来SFのようなことになっている
中国の新興企業メグビーではロビーに入った訪問者の顔をビデオカメラが瞬時に認識して訪問者が出した名刺と顔がリンクされてデータベースに記録されるそうです。
次からは顔認証だけで名前や会社などの情報がわかるようになるわけですね。
しゃれがキツイのはこのシステムの名称を「スカイネット」としているところなんですよ。
映画「ターミネーター」で人類と戦い絶滅させようとしていた人工知能(AI)システムの名前です。
なんか恐ろしくないですか。別の名前にしてくれないかなぁ。
人工知能(AI)は世界中で研究が進んでいるのですが、顔認証システムに限っては中国での普及が一番早く進みそうです。
なぜでしょう?
今回は中国がリードしている顔認証システムについて書いてみます。
中国で顔認証システムが米国やヨーロッパよりも普及する理由
中国は顔認識システムの実用化において、西側の一歩先を歩み続ける
北京航空大学Leng Biao教授
中国は顔認識システムにおいて米国やヨーロッパよりも進んでいて普及するスピードも早いだろうと言われているんですが、それは次のような理油によるものだと思われます。
写真付きの身分証明書
中国では16歳までに写真付きの身分証明書が発行される。
それによって中国政府は7億人の国民の画像をデータベースに記憶してある。
顔認証システムはそのデータを利用できるわけです。
16歳以上の人はどこにいても素性がわかってしまう、へたな事は出来ませんね。
顔認識システムは国民一人一人の行動を把握したい中国政府にとっては都合のいいシステムなんですよ。
監視カメラ
アメリカには5千万台の監視カメラがあると言われている。
しかし中国はもっと多くて1億7千万台と言われている。
これすごくないですか、ロンドンもたくさん監視カメラがあると言われていましたが、中国の方が多いらしいです。
よくニュースで見る中国の交通事故の映像、なかにはすごいものがありますよね。
1億7千万台もあれば逐一記録されていているので珍しいものも記録されてしまうんですね。
プライバシーに対する考え方
中国では監視カメラによる国民一人一人の行動の把握はプライバシーの侵害とみなされない。
米国やヨーロッパでは行き過ぎた政府の監視はプライバシーの侵害となってしばしば問題になりますが、中国ではプライバシーに対する考え方の違いであまり問題にならないと言えます。
インターネットでも中国政府による干渉で、ある特定のワードが検索出来ないようになっているのは有名ですよね。
顔認証システムの普及は中国政府の思惑と一致する。
中国政府は顔認証システムを使って人民をコントロールしようと思っている。
政治的に問題のある人物の行動は常に把握しておきたいだろうからこういうシステムは待ち望んでいたでしょうね。
なんかほんとに近未来SFみたいで「マイノリティーリポート」みたいに地下鉄に乗ろうとしている人のすべての身元がわかるという状態になるのは間違いない。
反政府勢力を把握する目的で顔認証システムが使われるのでしょう。
さまざまな場所で顔認証システムが利用される
顔認証システムの進化は正確さなどのシステム自体の進化の他にどういった目的で使われるかという点もどんどん進化しています。
中国ではモバイル決済が普及していて、お祝い事にオンラインでお祝い金をあげたり、ホームレスへの施しもオンラインを使ったりしていますよね。
さまざまな場所でこれらのIT技術と顔認証システムが使われ出しています。
学校
学校ではスマートブレスレットを付けて生徒一人一人を認識させています。
食堂では顔認証システムを導入したことで、食堂の受け取り口のタブレット端末の前に立つだけで顔を認証、学籍を確認して、選んだ料理・料金が提示されるようになっています。
決済カードに使っていたころはカードを無くすトラブルもあったが顔認証システムであればそんな問題もなくなったんです。
生徒が選んだトレーについたセンサーで選んだ料理を認識し、あとは自動で精算、これによりスムーズな支払いが出来るようになり並ぶという習慣はなくなったそうです。
交通違反
交通違反者に対しては監視カメラと顔認識システムの組み合わせで対応しています。
山東省済南市では、赤信号を無視した運転者がいた場合、数分後には交差点の巨大スクリーンにその交通違反をした運転者が表示されてしまうそうです。
監視カメラは交通違反者の約5秒間の動画を録画していて、自動的に警察のデータバンクと付き合わせて違反者を特定します。
数分後、警察は巨大スクリーンで違反者を発表するだけでなく、違反者の名前・住所・身分証番号の一部も表示してしまう。
別に発表しないで、ただ違反切符を切ればいいとは思うのですが、みせしめなんでしょうか。
店舗
飲食店での支払いも長い列を作るのが常だったがITの導入で劇的に変化しました。
北京のKFC(ケンタッキーフライドチキン) の一部の店舗では顧客の顔を読み取り、年齢や性別にあった商品をお勧めできるようにしています。
「スマイル・トゥ・ペイ」という新決済システムが登場して、客は画面を見るだけで自分の情報を打ち込む必要はなく、システムが顔認識をして精算をしてくれるんです。
画面を見て精算
これからの未来
これからはさまざまな場所で顔認証が利用されるのでしょう。
こういう新しい技術の面白い点はこれまで考えられなかった場所で使われるようになる点です。
スマートフォンに搭載される
日本では2017年11月に発売されたiPhone X。
これに顔認証システムによるロック解除機能が付きましたね。
ギャラクシーなどに比べるとかなり精度があがっているようです。
これからの顔認証の機能はスマートフォンアプリになってプライベートで色々な使い方がされるようになるんでしょう。
当然、顔認証システムを使った遊びが出来るアプリがたくさんリリースされていままで思いもつかないような使い方がされるかもしれません。
顔認証システムを開発した技術者たちには想像出来ないような使い方を一般ユーザーは考え付くものですからね。
まとめ
テクノロジーの発達のスピードはすごいです。
AIによる自動運転も始まっていますし、ドローンによる撮影はすでにだいぶ普及しています。
これらは物流の世界をかなり変えてしまいそうです。
AIによる自動操縦で操作される大型ドローンが色々な物を運ぶようになるのでしょうか。
こういうITの発達は基本的に大好きな分野ですが、その行く末が「スカイネット」のようになってしまうのでは不安になってしまいますよね。
「ターミネーター」みたいなAIに人類が弾圧されないような未来になってほしいと切に願います。
以上「中国ではすでに顔認証システムを使って近未来SFのようなことになっている」という記事でした。
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