ETCカードは近い将来高速道路料金の支払い専用ではなくなる?ETCカード決済

立体駐車場

ETCカードは現在、高速道路料金の支払い専用のカードでそれ以外の使い道はありません。

 

しかし個別のIDナンバーを持ち車載機に挿入されて読み取られるETCカードは特定されて認識されています。
そりゃそうですよね、ETCレーンを通過するだけで持ち主を特定されてその人の口座に道路料金の請求がいくわけですから。

 

このETCのシステムが高速道路だけでなくショッピングモールの駐車場などに導入出来ないかという議論は以前からされていて実際、実証実験も行われています。

 

ですが、セキュリティ面に問題が多くその情報を民間企業が直接利用する事は出来ないのが現状です。
(ETCカードの情報は国交省の監督のもと各道路会社が管理してそれをクレジットカード会社などに連携している。)

 

このハードルを一歩踏み越えて前へ進むきっかけになったのがETC2.0です。
ETC2.0になってより多くの情報が通信されるようになり、ETCカードによる決済が出来るようになりそうです。

 

ETCカードは単なる高速道路料金の支払い専用カードではなくなるという未来について書いてみたいと思います。

 

 

ETCカードは名義人しか使えない、ということは使用者個人を特定出来る事になる

カード会社の規約によるとETCカードは名義人しか使えないということをご存知でしょうか?

 

確実に本人にしか使えないわけではありませんが本人以外が使用した場合に受ける盗難などのトラブルに対してはカード会社は補償をしません。
ETCカードもクレジットカードと捉えると補償のないカードはリスクが高すぎると思いませんか?

 

他人に貸して落としたり、盗まれたりして不正使用された分はあなたが支払う事になってしまいます。
わたしだったらカード会社の規約を守って補償が受けられる状態で使いたいと思います。

 

そうなると名義人しか使えないという事になり使用者個人を特定出来ますね。

 

ETCカードで高速道路料金以外を決済するのはシステム的には可能

 

たとえば駐車場にETC通信装置を設置してETCカードで料金を決済することはシステム的には可能だと言われています。

 

  1. 駐車場のゲートを通過するとき、路側機のETCアンテナが車載機のETCカード情報を読取り車両検知。
  2. カード情報を照合し、OKの場合はゲートが開いて入場出来、空いているスペースに駐車する。
  3. ショッピングモールなどでの買い物の決済をETCカードに紐付いた親カードのクレジットカードで行う。
  4. 駐車場を出るときにゲートでETCカード情報を読み取り、駐車場利用時間とショッピングモールなどでの買い物金額に応じた駐車料金の割引が自動的に行われ、ゲートが開き出ていく。

こうした事はシステム的には可能なのですが、現状(2017年10月現在)では法令的に民間企業がETCカードの情報を利用することが出来ないのです。

 

個人情報保護などセキュリティ上の問題がクリアされればETCカードによる決済や、そのデータをマーケティングに生かす民間企業が急激に増えていくでしょう。

 

ETCカード決済を民間企業で利用出来るようになると

 

民間企業で利用が許されるようになると空港・テーマパーク・ショッピングモールなどの駐車場に導入されるでしょう。

そのETCカード決済のメリットは次のようなものです。

 

マーケティングデータ

 

幅広い顧客データが獲得出来ます。
ETCカードの情報からどのような人がどんな時間に来たか、イベント、ショッピングに関連する顧客の行動が把握出来ます。

 

こんなイベントをやると人が集まるとか、こんな商品のキャンペーンが人気があるとかのデータが入手出来るってことですね。

キャッシュレスの加速化

駐車場料金をETCカード決済、車を降りたあとの買い物もクレジットカードなど、そういう事になるとキャッシュレスの加速化につながります。

 

よく買い物の金額で駐車場の料金が安くなったらする施設は多いですよね。
これなんかも自動で精算されるので駐車場での混雑はなくなるでしょう。

 

顧客の囲い込み

 

ETCカードの情報により顧客の特定が出来てしまうのでVIPが違う車で来てもいつもVIP待遇をする事が出来ます。

 

駐車場に入っていくと特別な案内係が誘導してVIP専用スペースに駐車、ドアを開け「〜様、いらっしゃいませ。」みたいな対応が出来るわけですよ。

 

ETCカード決済モニターの募集

 

ETC2.0普及促進研究会というところが実際の駐車場を使ったETCカード決済の試行運用をすでに始めていて、2017年12月15日(金)から第2回目のモニターを募集しています。

 

場所は愛知県名古屋市の名鉄協商パーキング藤が丘effe。

 

興味のある名古屋市近辺の方は申し込んでみたらいかがでしょうか。

 

詳しくはhttps://etc-workshop.org/

 

ETC2.0普及促進研究会とは、ETC2.0民間利用を普及促進するため路側機器開発から決済システム開発、市場開発、利用者開発までを共同で開発するための会だそうです。

 

 

ETC2.0普及促進研究会の会員と役割分担(アイウエオ順)

 

沖電気工業株式会社 (情報通信機器メーカー) 民間利用のETCアンテナ開発
株式会社青菱コミュニティ (三菱プレシジョン子会社) ETC対応駐車場機器の保守・運営
ソニーペイメントサービス株式会社 (ソニーフィナンシャルグループ) ETCのクレジットカード決済代行
中日本高速道路株式会社 (高速道路会社) ETC無線のセキュリティを管理
(暗号を復号化など)
日本工営株式会社 (建設コンサルタント) ETC民間利用の需要調査、企画策定
三菱プレシジョン株式会社 (三菱電機グループ) ETC対応駐車場機器開発
株式会社メイテツコム (名古屋鉄道グループ) 各ETC対応システム機器の連携システム構築
<事務局>
ドライブメディア株式会社
(ITSコンサルタント) 全体取り纏め

 

 

まとめ

 

ショッピングモールなどの駐車場の混雑、曜日や時間帯によってはハンパなく時間がかかってしまう事ないですか。

 

いちいち駐車料金を精算しているからしょうがないんですが、あれがノンストップでいけたら気持ちいいでしょうね。

 

ゲートを通過するだけでETCカードによる駐車料金の決済から買い物をした金額による駐車料金の割引まで全部自動で済ませくれて出ていける。

 

実にスマート!

 

すでにモニターを募集して試行運用をしているわけだから、それほど遠くない未来に実現しそうですね。

 


 

以上「ETCカードは近い将来高速道路料金の支払い専用ではなくなる?ETCカード決済」という記事でした。
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ETCカード, コラム

Posted by 管理人2