ETCカードのみを審査なしで個人や新規会社でも作れるの?
この記事では、クレジットカードを作らずにETCカードだけを欲しいと思っている方にむけて、ETCカードをクレジット審査なしで作るにはどうするかを順を追って解説していきます。
普通にETCカードを作る場合、まずクレジットカードを作成し、それに付帯するETCカードを発行する方法が一般的です。
クレジットカードを作るにはまずクレジット審査に通らなければいけません。
でもクレジットカードの審査に通りにくい人はどうしたらいいんでしょう。
そんな場合の選択肢としてクレジット審査なしのETCカードというものがあります。
その他の「クレジット審査なしETCカード」の記事一覧はこちら
はじめに クレジット審査について
クレジットカードを作るにはクレジット審査というものがあります。
これは個人信用情報をもとに審査されるのですが・・・
クレジット審査なし法人ETCカードをすぐに見たいかたはこちら
個人信用情報とは?
個人信用情報というのは住所、電話番号など基本的個人情報のほかに、あなたがローンやクレジットカード等の契約をされている場合、その借入状況、金額、最返済等の細かい金融取引に関する情報が記録されているものです。
この情報は、全ての金融機関やクレジットカード会社で共有されています。
個人信用情報に問題がある場合はクレジット審査に通らない?
この個人信用情報をもとにクレジット審査が行われます。
その結果、あなたの支払い能力に問題があるとみなされた場合は、新しくローンを組んだりクレジットカード等の発行が出来ない場合があるのです。
これにはスマートフォンなど各種の料金未払いの情報なども含まれ、一度の支払いの遅れが問題になる場合もあるのです。
クレジット会社の審査ではこの個人信用情報がその人の返済能力を判断する重要なポイントになり、審査なしではクレジットカードは作れません。
設立間もない新会社ってクレジットカードの審査に通りにくいの?
会社で使うクレジットカードは法人向けクレジットカード(法人カード)にしなければいけません。
(カード会社の規約によると「一般の個人向けクレジットカードは事業の決済には使えない」となっている)
会社設立後2~3年以上経っていて、かつ黒字を維持しているような会社なら問題はないのですが、新会社、個人事業主は支払い能力の信用度が低いとみなされます。
法人カードになると利用額も大きくなり、さらにキャッシングによって資金調達も出来てしまいます。
当然、カード会社から見て倒産リスクが大きいと判断される会社は警戒されます。
そのため法人カードの審査は厳しくなり通りにくいんです。
経営者個人として一般の個人向けのクレジットカードが作れても、会社としての法人カード審査では落ちるケースは結構あるんですね。
クレジット機能なしのETCカードって?
「クレジット機能なしのETCカードを探しているんですが」というお問い合わせをいただく事がありますが、これは「クレジット審査なしのETCカード」または「クレジットカードの作成なしで作れるETCカード」の事を言われていると思います。
ETCカードは道路料金の支払いにだけ使えるカードでクレジット機能は元々ありません。
つまりETCカードはクレジット機能なしで当たり前なんです。
例外として「ETC/JCB法人カード」のようにクレジットカードとETCカードが一枚になった一体型カードがあります。
買い物に使えるクレジットカードをそのままETC車載機に挿入すればETCカードとして使えるものです。
この一体型カードは珍しいタイプです。普通のETCカードといったらクレジット機能がついてないものが一般的ですね。
クレジットカードの審査無しでETCカードを作る方法は三つ。
クレジット審査に落ちたりクレジットカード自体を作りたくないという人が審査なし、つまりクレジットカード作成以外でETCカードを作る方法は次の三つです。
- ETCパーソナルカードを利用する。
- NEXCOが発行するETCコーポレートカードを利用する
- 協同組合に加入して使う「法人ETCカード」を利用する
ETCパーソナルカード
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ETCパーソナルカードとは
クレジットカードの審査に落ちた個人の人がどうしてもETCカードを手に入れたいと思うなら、まずはこのカードでしょう。
ETCパーソナルカードはクレジットカードを作らなくてもETCカードが使えるように道路事業者が独自に発行しています。
中日本
日本、
首都高速道路株式会社、
阪神高速道路株式会社、
本州四国絡高速道路株式会社
この6社が共同して発行するETCカードです。
利用するためには最低2万円の保証金(デポジット)を預ける必要性があります
個人信用情報に問題があってもこの保証金(デポジット)を担保にETCカードで決済出来るわけです。
保証金(デポジット)とは
後払い式のETCカードを使うという事は一時的にカードを発行している会社に立替をしてもらうことになりますね。
そして一ヶ月ごとにまとめて立替えてもらった分を支払います。
立替をした分を必ず支払ってもらうためにカードを発行する会社は保証金(デポジット)が必要なのです。
カード使用者は道路の利用金額に応じた保証金(デポジット)を預けます。
保証金(デポジット)はいくら?
まずパーソナルカード申し込みの際、5千円単位で月ごとの利用金額を申告します。
その利用金額の4倍の金額をデポジット(保証金)として預け入れます。
つまりデポジット(保証金)は利用金額5千円ごとに2万円づつ上がっていきます。
平均利用月額 | デポジット(保証金)額 |
---|---|
5000円 | 20000円※ |
10000円 | 40000円 |
15000円 | 60000円 |
20000円 | 80000円 |
カードの利用停止もあり
主な規約として
預けている保証金は差し押さえられ、未払いの利用金額はそこから相殺される。
規約詳細↓
ETCパーソナルカード利用規約
このようにETCパーソナルカードは初期費用としてかなりの金額が必要であり、規約も厳しいものになっています。
いわゆるブラックな人でも審査なしで作れますし、個人・法人を問いません。
信用力のない人が高額な保証金によって使う事が出来るカードです。
極端な言い方をすると多重債務でもうどこへ行ってもお金を借りられない人が、高金利の闇金を使うようなイメージですね。
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ETCコーポレートカード(NEXCO発行)
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首都高・阪神高速の割引き
大口・多頻度割引き(運送業など頻繁に高速道路を使用する方向け)
朝夕割引(通勤割引)
NEXCO東/中/西日本高速道路株式会社より発行されるクレジットカードの作成なしで作れるETCカードです。
後払い式のカードなので個人で直接申し込むと支払い保証や保証金が必要になりますが、協同組合を通して申し込むと代わりに手続きをしてくれます。
利用料が多くなるほど割引率が高くなるカードなので業務で車を使う会社が経費削減目的で導入しています。
クレジットカード会社のETCカードを使っていた会社が経費の見直しをしてETCコーポレートカードに変更することは少なくありません。
休日、深夜などの通常のETC時間帯割引をされた後にさらに月間利用金額によって首都高・阪神高速では最大20%、NEXCOの地方部の道路では最大50%の割引が適用されます。
※普通のETCカードとは違い、カードには車両番号が登録されています。
1枚のカードを複数車両で使用する事はできません。カードと車両がセットになって登録されているためです。
東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込むことも出来ますが、その場合は自分で支払い保証をしなければいけません。(保証金が必要になる)
協同組合に加入すれば組合が支払い保証をしてくれる事でカードが利用できます。
組合に加入する事が条件ですので、加入費用(出資金)がかかります。
出資金は組合脱退時には返却されるお金です。
ETCコーポレートカードを扱っている協同組合はたくさんありますが、コスト最安はテイ・ネット物流事業協同組合です。
出資金 10,000円
取扱手数料 617円(税込)/1枚(年1回)
必要な書類
法人の場合…商業登記簿謄本(写し可)
個人事業者の場合…所得税確定申告書(写し可)または開業届 |
車検証(写し) |
ETC車載器セットアップ証明書(写し) |
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ほんとの意味で審査がまったくなしで作れるのはETCパーソナルコードとETCコーポレートカード(NEXCOに直接申し込む場合)です。
支払い保証をするために高額なお金を預け入れるので審査を受けずに作れるのです。
これから紹介する協同組合のETCカードは組合に加入する事によって組合が支払い保証をしてくれます。出資金1万円を預け入れる必要がありますがETCパーソナルコードとETCコーポレートカードの保証金と比べるとまだ安いです。
(法人または個人事業主として実際に事業をしているかどうかの審査はあるので「まったく審査なし」とは言えません。)
高額なお金を預け入れてほんとの意味での審査なしでETCパーソナルコードとETCコーポレートカード(NEXCOに直接申し込む場合)を作るのは最後手段だと思ってください。
ETCカードを審査なしで作れる選択肢が増えました。
デポジット型クレジットカード。保証金を預け入れて作るクレジットカードです。普通のクレジットカード同様、付帯するETCカードが作れます。
協同組合に加入して申し込む「法人ETCカード」
高速情報協同組合のような事業組合では共同清算事業(組合員の支払いをまとめて清算する)としてETCカードの清算事業をおこなっています。
協同組合の法人ETCカードはクレジット審査なしで作れるETCカードです。
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協同組合に加入して申し込みできる法人ETCカードは
クレジットカードの作成なしでETC専用カードだけを作る事が出来ます。
協同組合では中小企業、個人事業主の方を対象にETC清算事業を展開しています。
組合に加入する事でそのサービスを受ける事ができます。
つまり組合員になることで組合が支払い保証をしてくれるので後払い式のETCカードを使用する事が出来るというわけですね。
クレジットカードではありませんので、当然クレジット審査はなしです。
法人もしくは個人事業主向けに発行されます。
申込は、法人もしくは個人事業者の方に限ります。
以下の書類が必要です。
⚫︎法人:登記簿謄本(コピー可)
⚫︎個人事業主:所得税確定申告書(コピー可)
(確定申告をしている方なら申し込めます。)
または開業届
個人事業主になるための開業届の出し方
⚫︎車検証
⚫︎ETC車載機管理番号
ETC車載機管理番号を調べるのは結構たいへん
会社設立直後でも作れます。
開業したばかりの法人、新規会社、個人事業主さんでも申し込みをする事が出来ます。
こうした立場の弱い中小企業、個人事業主の助けになる事が協同組合の設立目的だからです。
クレジット会社のETCカードよりも早く発行されます。
審査基準として、クレジットの審査がありませんので、その分早く発行されます。
クレジット会社の法人カードの場合3週間ほどかかりますが、こちらは10日前後で手に入れる事が出来るんです。
30%~50%の割引で利用出来ます。
他のETCカードとなんら変わりはありませんので、休日割引、夜間割引30%、平日朝夕割引50%などのETC割引サービスがしっかり受けられます。
ETCマイレージもたまります。(ETCマイレージ付きカードの選択が必要)
会社の車の他、レンタカー、従業員の車、どんな車でも使えます。
普通のETCカード同様、カーシェリングの車も含め、軽・大型など関係なく、どんな車でも使えるんです。
もちろん出張先のレンタカーでも大丈夫です。
複数枚のカード発行が可能です。
会社で使うETCカードは必要な枚数が作れないと困ります。
このカードなら申し込み時に必要な枚数を設定できます。
カードの名義は協同組合
個人用の普通のETCカードは社員間で使い回すことはできません。カード規約で名義人本人の使用以外はNGになっているからです。
協同組合の法人用のETCカードなら名義はすべて協同組合になっているので従業員同士で使い回す事が出来るようになっています。
色々な車で使い回す事は出来るが使える人間は名義人本人だけ。
●協同組合の法人用のETCカード
色々な車で使い回す事も出来るし、従業員同士で使い回す事も出来る。(誰が使ってもいい)
カード毎の利用明細で管理が簡単
毎月のカード毎の利用明細でどこで、いくら使ったわかります。(入り口・出口インター名もでます)
トラックなどの営業車を使う業種の方、運送業の方など、社員の高速代金の支払いについての管理が非常に簡単になります。
高速代金の支払いに現金を使っている場合の、現金の受け渡し、立て替え、精算、伝票整理、などの経理処理にかかる時間的コストを削減出来ます。
支払いは自動引き落とし
利用金額の明細書が翌月に届きます。
指定口座からは翌々月に自動で引き落としがされます。
協同組合が発行する法人ETCカード、どんなカードがあるのか見ていきましょう。
クレジット審査なし協同組合の法人ETCカード
ETCマイレージなし(UCカード提携)
高速情報協同組合に加入する事が条件ですので、加入費用(出資金)がかかります。
これは組合脱退時には返却されるお金です。
出資金 10,000円
カード発行手数料 540円(税込)/1枚
取扱手数料 540円(税込)/1枚(年1回)
この他に毎月の走行金額の8%が手数料として請求されます。
必要な書類
法人の場合…商業登記簿謄本(写し可)
個人事業者の場合…所得税確定申告書(写し可)または開業届 |
車検証(写し) |
ETC車載器セットアップ証明書(写し) |
↓カード申し込みはこちら
法人向けのETC専用カード
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ETCマイレージ付きカード
ETCマイレージサービスは利用料金に応じてポイントが貯まるサービスです。
貯まったポイントは交換して利用料金に充てる事が出来ます。
経費削減のためには導入したいカードです。
ETCマイレージサービスは自分で手続きをして登録しなければいけないんですが、このカードなら組合がその登録手続きを代行してくれます。
ETCマイレージサービスはカード一枚ごとに登録しなければいけないので、たくさんの枚数を使う会社では登録手続きに時間がかかってしまいます。
登録手続きを代行してくれるのは結構助かりますよ。
高速情報協同組合がETCマイレージサービスを登録し、その管理を行いますので手続き等は不要です。 マイレージポイント全額還元《高速道路(株)の規程》及び立替保証、請求書作成、マイレージ登録など全て当組合が手続き致しますので、毎月の走行金額の8%を手数料としていただきます。 |
|
取り扱い手数料 | 540円(税込)/1枚(年1回) |
発行手数料 | 540円(税込))/1枚 |
その他経費 | 出資金10,000円(退会時返却) |
使用出来る車両 | 車両の限定はありません。 レンタカー・従業員の車でも利用できます。 |
必要な書類
法人の場合…商業登記簿謄本(写し可)
個人事業者の場合…所得税確定申告書(写し可)または開業届 |
車検証(写し) |
ETC車載器セットアップ証明書(写し) |
カード申し込み→ マイレージ付き法人ETCカード
高速情報協同組合がかわりにETCマイレージサービスの登録手続きをしてくれますのでカードが送られてきたらそのままマイレージ登録された状態で使う事が出来るんですね。
マイレージ登録、書類作成などの手数料として毎月の走行金額の8%がかかります。
組合に書類到着後、10日程度でカードが出来上がります。
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ETC協同組合が発行する法人ETCカード
ガソリンカード(エネオス、出光)と一緒に申し込むならETC協同組合の法人ETCカードがお得です。
ETC協同組合は高速情報協同組合の兄弟グループです。
組合に加入する事が条件ですので、加入費用(出資金)がかかります。
これは組合脱退時には返却されるお金です。
出資金 10,000円
組合に加入した後は出資金なしでガソリンカードのお申し込みも出来ます。
カード発行手数料 864円(税込)/1枚
取扱手数料 864円(税込)/1枚(年1回)
請求書作成、信販会社への立替保証などに伴い、毎月の走行金額の8%を手数料として請求されます。
必要な書類 |
法人の場合…商業登記簿謄本(写し可)
個人事業者の場合…所得税確定申告書(写し可)または開業届 |
車検証(写し) |
ETC車載器セットアップ証明書(写し) |
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まとめ
ETCパーソナルカードは、それまで4万円だった最低保証金が2016年7月から2万に引き下げられました。
そのことで多少作りやすくなったとは言われていますが、信用情報に傷をつけてしまったブラックな個人の方以外は検討しようとは思わないんじゃないでしょうか。
協同組合の法人ETCカードは法人・個人事業主限定なのですが、個人の方でどうしても作りたいという場合はこの記事を参考にしてください。↓
クレジット審査が不安でない方
「うちは何年も実績のある会社なので信用力はある」というクレジット審査が不安でない方はクレジットカード会社の発行する法人ETCカードを検討してください。
以上「ETCカードのみを審査なしで個人や新規会社でも作れるの?」という記事でした。