ETCカードの使い回しが出来るのは協同組合の法人ETCカードだけ?
ETCカードは名義人本人以外は使う事は出来ません。
え〜、でも人のを借りて使うことはあるけど。
同じ車に乗っている同乗者のものを使うのはOKですよ。
その車に乗っていない人のETCカードを借りてきて使うのはNGです。
ただしこれはクレジットカード会社が発行しているETCカードの場合です。
事業用のETCカードである協同組合発行の法人ETCカードなら使い回しはOKです。
同じ様な事業用のETCカードであるクレジットカード会社が発行する法人向けクレジットカード付帯の法人ETCカードは使い回しNGです。
なんか混み入ってきてわからなくなりそう。
ETCカードの使い回しは名義によるので複雑なところがあるんですよ。
今回の記事は名義の関係で協同組合の法人ETCカードだったら使い回しが出来る、という事の解説です。
会社で従業員にETCカードを使わせたい経営者の方には有益な情報ですよ。
ETCカードの使い回しが出来るかどうかは名義の問題
基本的にETCカードの使い回しは出来ないのはなぜ?
「出来ない」というのは「してはいけません」という意味。
実際、人のETCカードを借りて自分の車の車載器に挿して高速道路を走行する事は出来る。
その時の走行料金は当然、ETCカードの持ち主へ請求される。
当事者同士の話し合いで借りて使った分だけETCカードの持ち主に払う。
これで済むでしょう。
ではなぜ「してはいけません」なのか?
要は不正使用されたものを補償してもらえるかどうか
人のETCカードを借りて使っていたがある日盗まれてしまった。
たまたま車を使わない期間だったので盗まれた事に気づくの遅れた。
そのため結構な額で不正使用されてしまった。
このときETCカードの持ち主はカード会社へ盗難の届出をしますよね。
不正使用分を補償してもらわないといけないですから。
ところが、
カード会社が利用履歴を調べてみると盗難があったとされる前から、ETCカードの持ち主がクレジットカードを使っている同時間帯に大きく離れた場所でETCカードの利用履歴があった。
そりゃ、そうです。ETCカードだけ人に貸していたから自分がクレジットカードを使ってる同時間帯にそのクレジットカードに紐づいているETCカードが別の人間によって使用されていたわけです。
こうなると人に貸していたときがバレて、しかも貸していたときに盗まれた事もバレてしまいます。
カード規約「名義人以外の使用を禁ずる」に違反した使い方をしたために損害は補償はしてもらえません。
人にETCカードの貸していた持ち主は不正使用された全額を払うハメになります。
名義がどうなっているかは重要
クレジットカード本体、それに付帯するETCカード。名義は申し込み者本人になります。
そのため使えるのは名義人本人だけです。使い回しは当然出来ません。
個人カード、法人カード、協同組合のETCカードで名義がどうなっているのか詳しくみていきましょう。
個人向けクレジットカード
一般の人が使っているクレジットカードは個人向けクレジットカードです。
ここから以降、個人向けクレジットカード=個人カードと書いていきます。
大抵の個人カードは1枚だけETCカードが作れる
大抵の個人カードは1枚だけETCカードが作れるようになっています。
当然名義人は申込者本人となりますよね。
本人以外は使えないETCカードが1枚作れるわけです。
家族カード
個人カードは追加で本カードと同じ機能を持ち、同じ引き落とし先のクレジットカードを家族用に作る事が出来ます。
1枚の家族カードに対して1枚のETCカードが作る事ができます。
カードの名義はその家族の名義になります。
息子が家族カードを作りそこからETCカードも作った。
そのETCカードの名義は息子。
引き落とし先はお父さんの口座。
例外)楽天カード
楽天カードの場合、家族カードからはETCカードは作れない
例外)セゾンカード
家族カード1枚に付き家族カードと同じ名義のETCカードが5枚作れる
名義人ひとりにしか使えないETCカードが5枚作れるわけです。
でもなぜ同じ名義のETCカードを5枚作るの?
セゾンカードのチャットサポート解説によると
複数の車両を持っているユーザーが各車両ごとに使うためだそうです。
法人向けクレジットカード
会社・個人事業主用のクレジットカードは法人向けクレジットカードです。
ここから以降、法人向けクレジットカード=法人カードと書いていきます。
個人カードとの大きな違いは
社員カードが作れる。
大抵の法人カードは1枚だけETCカードが作れる
本カードに対して1枚だけETCカードが作れる。
当然名義人は申込者本人。
本人以外は使えない。
引き落とし先は法人口座にする事が出来ます。
社員カード
本カードと同じ機能を持ったカードを社員用に発行出来る。名義はその社員の個人名義になります。
1枚の社員カードに対して1枚のETCカードが作れる
各社員にETCカードを持たせようとしたら社員カードを作ってそこからETCカードを作って渡すという形になります。
例外)セゾンカードビジネスカード
本カード1枚に付き本カードと同じ名義のETCカードが5枚作れる。
社員カード1枚に付社員カードと同じ名義のETCカードが5枚作れる。
なぜ同じ名義のETCカードが5枚作れるようになっているのか。
複数の車両を持っているユーザーが車ごとに使うため。(個人カードと変わりません)
協同組合の法人ETCカード
協同組合では法人・個人事業主向けにクレジットカードなしのETCカードのみを発行をしています。
使い回し出来るのは協同組合のETCカードだけです。
クレジットカードを作らずに ETCカードのみを作る
協同組合で発行しているETCカードは事業専用なので法人ETCカードと呼びます。
クレジットカード会社のように本カードを作りそれに付帯する形でETCカードを作るのではなく法人ETCカードのみを作ります。
申込者は法人・個人事業主限定で協同組合に加入して組合員になる事で協同組合の法人ETCカードを使う事が出来ます。
従業員に渡して使う事が前提になっていますから一度に必要な枚数を作ります。
その名義はすべて協同組合になっています。
個人の名義ではないので使い回しが出来るのです。
クレジットカード会社と協同組合のETCカードの大きな違い
クレジットカード会社と協同組合のETCカードの大きな違いは
●協同組合のETCカードはクレジットカードなしで作れる
●協同組合のETCカードは使い回しが出来る
3人の社員にETCカードを渡すときのそれぞれの作り方をみてみましょう。
従業員用にクレジットカード会社のETCカードを作るやり方
経営者(社長)が法人カードを作る。
その法人カード(本カード)から3枚の社員カードを作る。
・社員A
・社員B
・社員C
それぞれの名義の社員カードを作りそこからETCカードを作る。
名義人しか使う事の出来ないETCカードなので使い回しは出来ない。
従業員用に協同組合のETCカードを作るやり方
経営者(社長)が協同組合に加入する。
協同組合の法人ETCカードを3枚作る。
・社員A
・社員B
・社員C
それぞれに法人ETCカードを渡す。
名義はすべて協同組合の名義。
名義は同じでもカード番号ごとの利用明細が出るので「誰がどこでいくら使ったか」という管理をする使い方は出来る。
個人の名義ではないので社内で使い回しが出来る。
社員が増えたり、減ったりしても、新規に作ったり、解約したりする必要はない。
コストで比較
5名の社員用ETCカードを作り1か月あたりのETC利用額が5万円として試算します。
JCBゴールド法人カード
一般的な法人カードとしてJCBゴールド法人カードで試算。
本カード年会費10,000円
追加カード年会費3,000円x5=15,000円
ETCカード年会費 0円
年間25,000円
高速情報協同組合の法人ETCカード
組合出資金10,000円(初期費用)
カード発行手数料500円x5=2,500円(初期費用)
年間手数料500円x5=2,500円
毎月の走行金額の8%の手数料 5万円x0.05=2,500円x12=30,000円
初年度45,000円(ただし組合出資金10,000円は退会時に全額返金)
次年度から32,500円
まとめ
いままで協同組合の法人ETCカードのメリットはクレジットカードなしで作れる、つまりクレジット審査なしで作れるという点が強調されていました。
起業して間もない会社がクレジットカード会社の審査に通らずにETCカードが作れない場合に協同組合の法人ETCカードを使うというイメージがありました。
でも今回解説した名義の問題は大きいと思いませんでしたか?
クレジットカード会社の法人カードのように社員一人一人の名義でETCカードを作れば管理上は万全でしょう。
しかし、その分、社員が増えたり、減ったりした場合は、また新規に作ったり、解約したりする必要が出てきます。
協同組合の法人ETCカードならもっとアバウトな使い方が出来ますよね。
会社で使う車が1台しかなくて誰が使うかは決まってない。
こういう場合は協同組合の法人ETCカードを1枚作っておけば社内で使い回しが出来ますね。
社内での使い方によってクレジットカード会社の法人カードがいいか、協同組合の法人ETCカードがいいかを検討してください。
以上「ETCカードの使い回しが出来るのは協同組合の法人ETCカードだけ?」という記事でした。
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