会社で使うETCカードのために法人カードを申し込んだら審査に落ちてしまった、さあどうする?
従業員に渡して使えるETCカードがないと困る職業は建設業・運送業や宅配関係でしょう。
請求先がひとつで他人に渡して使えるETCカードが用意されているといえば法人向けクレジットカード(法人カード)です。
しかしクレジットカードなので審査があります。
この審査に落ちてしまったら、どうしますか?
高速道路を使わなくてはいけない業種だったらETCカードはマストアイテム、キャッシュレスの時代に現金の前払い、立て替えなど時代錯誤です。
法人カードの審査に落ちてしまったら、クレジット審査なしのETCカードを手に入れましょう。
その作り方を解説していきますのでお付き合いください。
法人向けクレジットカード(法人カード)の審査は厳しい
建設業・運送業など車を使う事業を新しく立ち上げる場合に必要になるものの一つが従業員に渡して使えるETCカードです。
個人でやっていた人が仕事が多くなってきて人を雇うことになった場合もやはり必要になります。
従業員に渡して使えるETCカード、一般的な作り方は法人向けクレジットカード(法人カード)を作ってそれに付帯する法人ETCカードを利用するというものです。
法人カードは会社業務で使い勝手がいいような仕様になっていて法人ETCカードもその一つ。
しかし問題がひとつあって、それはクレジット審査。
個人向けの一般クレジットカードの審査と比べると法人カードの審査は厳しいんです。
立ち上げたばかりで実績のない会社や業績の安定していない個人事業主だと審査に通らない事は少なくありません。
でも法人カードの審査に落ちてしまったらどうしますか?
高速代を現金払いにするなんてキャッシュレスの流れに完全に逆らう動きで非効率じゃないですか。
いちいち現金を用意したり、立て替えをしたり、もう一時代前のやり方には戻れませんよ。
ETCカードはどうしても必要なんです。
それじゃクレジット審査のないETCカードの入手方法は?
クレジット審査のないETCカードは3つ
クレジット審査がないETCカード、イコール、クレジットカード会社以外が発行しているETCカードということになります。
それは3つあって
- ETCパーソナルカード
- ETCコーポレートカード
- 協同組合のETC法人カード
1と2はNEXCO道路会社が発行しています。
3は協同組合が発行しています。
1のパーソナルカードはこういう規約がありました。
NEXCO道路会社
ETCパーソナルカードは、申込者ご本人が利用されることを前提に発行いたしますので、原則としてお一人様1枚の発行とさせていただいております。
従業員一人一人に作ってもらうことになるので請求先がひとつにまとまった会社のETCカードは作れない。
ETCパーソナルカードは従業員に渡して使えるカードとしては不適当なので、ここで除外します。
なぜ審査なしでカードが作れるのか?
ここではNEXCOや協同組合だとなぜ審査なしでETCカードが作れるのか説明していきます。
ETCコーポレートカードと協同組合のETC法人カード、共通しているのは後払い方式ということ。
後払い方式という事はクレジットカードと同じ信用取引という事になります。
カードで高速代を払えば、その分は一時的に借金をしている事になり、後からちゃんと期日に支払うという信用がないと成り立たない信用取引になりますね。
ではなぜ審査をしないで信用取引が出来るのか(カードが作れるのか)、踏み倒したらどうなるのか?
ひとつづつ見ていきましょう
ETCコーポレートカード
ETCコーポレートカードを発行しているNEXCOはどうやって信用取引をしているのでしょう。
支払い保証として金融機関が発行する保証書類を提出する。
つまり長年付き合いのある金融機関にこの会社と取引をしていて今まで問題なかったので信用できる事を保証します、という書類を書いてもらうという事。
金融機関からすると保証するという事は踏み倒したら連帯保証人としてうちが債務を引き受けますというニュアンスですね。
長年付き合いのある金融機関があるという事は長いこと業績をあげている優良企業という事になるので普通の会社ではまず無理じゃないですか。
保証金を預ける
ほとんどの会社(または個人)がこちらを選択することになると思います。
その金額は一ヶ月の支払い見込み額の4倍。
もしそれが10万円以下なら10万円とする。
最終的(カード解約時)には返してもらえるお金ですが、かなりの高額ですね。
踏み倒した場合はここから支払われるのです。
協同組合の法人ETCカード
協同組合の法人ETCカードは協同組合がクレジットカード会社と提携して発行しているETCカードです。
組合に加入して組合員になる事で法人ETCカードを作る事ができます。
クレジットカード会社からすると取引相手は協同組合です。
個々の組員は「⚪︎⚪︎協同組合の⚫︎⚫︎さん」という扱いでクレジットカード会社から⚫︎⚫︎さんに請求が行くわけではありません。
クレジットカード会社は組合員全員分を協同組合に対して請求しますので個々の組員は支払い保証をしなくていいのです。
つまり組合が個々の組合員に代わって支払い保証を引き受けているという事です。
組合員が払ってくれなくても協同組合は肩代わりしなくてはなりません。
もし個々の組合員が踏み倒して回収不能になったときは協同組合が加入している損害保険によって補償されます。
クレジット審査がないETCカード、比較のポイント
ここまででクレジット審査なしで作れて従業員に渡して使えるETCカードは
- ETCコーポレートカード
- 協同組合の法人ETCカード
この二つで、なぜクレジット審査なしで作れるかもお分かりいただけたと思います。
それじゃ、どっちにしたらいいんだ?という事になります。
比較のポイントを見ていきましょう。
ETCコーポレートカード | 協同組合の法人ETCカード | |
どんな人が作れる? | 個人、法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 |
審査 | まったくなし | 事業者であるという審査がある。
実際に法人・個人事業主であれば問題無い。 |
コスト | NEXCOに対する保証金
支払い見込み額の4倍、これが10万円に満たない場合は10万円が保証金。 カード発行手数料617円 |
組合加入のための出資金1万円。
カード発行手数料;各組合によって違う。 組合によっては保証金が必要なところもある。 |
ETC割引 | 休日割・深夜割・朝夕平日割
首都高・阪神高速の割引 大口・多頻度割引 |
休日割・深夜割・朝夕平日割
ETCマイレージ |
備考 | 登録時の特定の車しか使えない
一枚のカードに対して一台の車両。 |
レンタカー・カーシェアリングの車などもOK、どんな車でも使える。 |
比べてみるとこれだけ違いがあります。
その中でコストに関してはETCコーポレートカードの方をもっと安く出来る方法があります。
ETCコーポレートカードを扱っている協同組合はたくさんあって、組員になって組合経由で作れば、最低10万円のNEXCOに対する保証金というのはいらなくなります。
出資金を払って組合員になれば組合がNEXCOに対する支払い保証をしてくれます。
なのでNEXCOに直接申し込むより協同組合経由で作る会社が多いです。
その場合は、「どんな人が作れる」と「コスト」それぞれの条件が協同組合の法人ETCカードと同じになりますね。
どっちにしたらいい?結論
結論はあなたの会社の使い方による、です。
比較のポイントなどと言っておいてシンプルな結論ですいません。
だけどそういう事なんです。
首都高・阪神高速の利用が多い会社であればETCコーポレートカードにした方が割引があるので経費削減になります。
一方、出張先のレンタカーなどでも使いたいのであれば法人ETCカードでないとダメ、こういった選択の仕方になると思います。
会社の中で首都高・阪神高速の利用が多い車両に対してだけETCコーポレートカードにして、あとの車は何枚かの法人ETCカードを使いまわして使う、という選択もありますね。
ETCコーポレートカードに関してはクレジット審査に問題がなく法人カードが作れる会社でも経費削減のためにETCコーポレートカード独自の割引きを使いたいために切り替えをする場合がある、という事も覚えておいてください。
どこで作る
ETCコーポレートカードもNEXCOに直接申し込むより協同組合で作る方が楽というお話をしました。
ETCコーポレートカード、法人ETCカード、扱っている協同組合はたくさんあるのですが、ここでは組織として一番大きく安心感のある「高速情報協同組合」をおすすめします。
色々ある協同組合の中ではコストが一番かかりません。
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以上「会社で使うETCカードのために法人カードを申し込んだら審査に落ちてしまった、さあどうする?」という記事でした。
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