協同組合の法人ETCコーポレートカードのメリット、デメリット
あなたの会社では高速道路の利用にかかる経費をどうしていますか。
高速道路の経費削減にはETCコーポーレートカードがおすすめです。
通常のETCカードに比べて割引率が大きいので経費削減のために導入する会社が増えているんですよ。
ETCコーポレートカードはクレジットカードの作成なしで作れるETCカードです。
その特長として一台の車に対して一枚のETCコーポレートカードが紐付けられています。
クレジット審査なしで作れる協同組合の法人ETCコーポレートカードのメリット、デメリットについて調べてみます。
特徴「車両の限定」について
ETCカードはどんな車でも使えます。マイカー、社用車、レンタカー、また車種も普通車だろうが、軽自動車だろうが、二輪車だろうが一枚のETCカードで使う事が出来ます。
しかしETCコーポレートカードは一枚のカードに対して登録した車でしか使用出来ません。
この「車両の限定」という条件について見ていきましょう。これはメリットなんでしょうか、デメリットなんでしょうか?
ETCコーポレートカードを使用する条件として、発行の際に登録した
- 車両番号
- カード番号
- 車載器管理番号
以上3つ全て一致しないと基本的には使う事が出来ません。
つまり登録した車に合ったETCコーポレートカードしか使う事が出来ないんですね。
(会社で複数の車を使う場合は申し込み時に車両分の枚数を申請してください。)
一致しない車両で使っても違反にはなりませんが、割引は受けられません。
普通のETCカードや、法人ETCカードの場合、従業員の車だろうがレンタカーだろうが車両の限定はありませんので使い回しが出来ます。
このETCコーポレートカードの「車両の限定」はメリットなんでしょうか?デメリットなんでしょうか?
使える車両が限定されていると・・・
会社が従業員にETCカードを渡す場合、高速料金の管理だけでなくその他の管理も必要になる場合があります。例えば違反に関して。
車両ごとの走行明細
ETCコーポレートカードの場合、車両ごとに走行明細が出ますので、会社の車がいつ、どこのルートを通ったのかがわかります。これによって経理処理のスピードアップにつながりますし、車両の管理が徹底出来ます。
あったら困る事ですが誰がいつどこで違反走行をしたのかがハッキリします。
たとえばETCレーン通過時の「速度超過」。
どの車がいつどこで「速度超過」をしたかは明確になります。
高速道路の高架橋、これには重量制限があり、これに違反した車両には「割引停止措置」があります。
これらの事が引き金になって事故になる事はさけなくてはなりません。
事故は当事者だけでなく、会社、家族にまで関係してきて、大きな影響を与えます。
会社のコンプライアンスにも関係してきますね。
そのために車両を特定して管理する事は重要になるのです。
乗る側も何かあったときにすぐに特定される車両に乗っているという自覚があれば違反や事故の可能性についても敏感になりますね。
「車両限定」のまとめ
会社組織でしっかりと従業員の管理をする場合「車両限定」は強いメリットになりますね。
社用車の数だけカードを作っておけばどの車がどのルートを通ったのかが把握出来るわけです。
(申し込み時に「必要カード枚数」という項目がありますので、そこで作りたい枚数を設定してください。)
多数の車両を使っていて高速道路の使用頻度が高い場合、車両とETCカードが紐付けられていた方が管理しやすくなるんですね。
もし「従業員の車やレンタカーなど色々な車に使えないじゃないか」と言われるのでしたら「ETCコーポレートカードは用途が違うので通常の法人ETCカードをお使いください」とおすすめしますよ。
それでは協同組合の法人ETCコーポレートカードのメリット、デメリットについて見ていきましょう。
協同組合の法人ETCコーポレートカードのメリット
通常のETCカードの割引の他に「大口・多頻度割引」「平日朝夕割引」「阪神高速・首都高の割引」が受けられる
通常の割引、つまりETCカードを手渡しではなく車載機に入れて使うだけで受けられる各道路会社の各種時間帯割引(平日朝夕割引・深夜割引)がありますが、協同組合の法人ETCコーポレートカードではさらにこれらの割引と合わせて「大口・多頻度割引」「平日朝夕割引き」「阪神高速・首都高の割引」が受けられるという事なんです。
通常のETCカードの割引+ETCコーポレートカード独自の割引
大口・多頻度割引
車一台の一ヶ月の利用料に対して割引きされる。
5,000円を超え、10,000円までの部分 | 割引率:10%(※20%) |
---|---|
10,000円を超え、30,000円までの部分 | 割引率:20%(※30%) |
30,000円を超える部分 | 割引率:30%(※40%) |
※ETC2.0搭載車両に限り適用される割引率です。(平成30年3月末まで)
大口・多頻度割引が適用になる道路
NEXCO東日本、中日本、西日本が管理する地方部の高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路
平日朝夕割引き
次の時間帯に対象道路を使用していると割引される。
平日 朝:6時~9時 夕:17時~20時
朝・夕の時間帯それぞれ最初の1回に限り適用されます。
つまり朝に割引を受けたら夕方は受けられない。
同様に朝に受けていなければ夕方は受けられる。
月ごとの使用回数によって割引率が違います。
1回~4回まで | 0% 割引きなし |
---|---|
5回~9回まで | 通行料金のうち最大100km相当分を約30%分割引 |
10回以上 | 通行料金のうち最大100km相当分を約50%分割引 |
阪神高速・首都高に対する割引
「阪神高速・首都高」の使用額に対する割引は通常のETCカードにはない割引なんです。
月ごとの使用料金によって割引率が違います。
月毎の「阪神高速・首都高」使用料金 | 割引率 |
5,000円超~10,000円まで | 10% |
10,000円超~30,000円まで | 15% |
30,000円超~ | 20% |
NEXCO東日本、中日本、西日本が管理する地方部の高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路、および「阪神高速・首都高」を使用する率が多い会社は法人ETCコーポレートカードを使った方が経費節減になるという事ですね。
必要な枚数を作る事ができる
業務での使用を考えて作られているので使用する車の数に合わせて必要な枚数がつくれます。
枚数制限はなく追加の作成も出来るようになっています。
新規会社・個人でも作る事が出来る法人ETCカードだという事
業務でつかう法人ETCカードを作るためには法人向けクレジットカード(法人カード)から作る選択肢がありますが、法人カードの審査は設立まもない実績のない会社は審査に通りにくいのです。
しかし協同組合の法人ETCコーポレートカードはクレジット機能はありませんので、クレジット審査もありません。
法人・個人事業主限定のカードなので、それを確認する審査はありますが大変通りやすいものになっています。
1.公的書類
・法人の場合…商業登記簿謄本(3ヶ月以内のもの、写し可)
・個人事業主の場合…所得税確定申告書(税務署印のあるもの、写し可)
2.カードを利用するお車の車検証(写し)
※使用者欄の名義(使用者欄の記載がない場合は、所有者欄が申込名義と同一である車両に限る
3申請車両のETC車載器セットアップ証明書(写し)
登記簿の請求方法↓
法人・個人事業主限定なので給料をもらっている職種、たとえばサラリーマンの方などは申し込み出来ません。
しかし裏技もあります。
関連記事↓
クレジットカードを作れないブラックなサラリーマンや主婦でもETCカードを審査なしで作れる裏技
協同組合の法人ETCコーポレートカードのデメリット
協同組合の法人ETCコーポレートカードを作るには協同組合に加入しなければなりません。
ETCコーポレートカードの発行元はNEXCO道路会社です。
それを協同組合が扱っています。
ETCコーポレートカードを作るにはふた通りあって、
- 発行元のNEXCO道路会社に直接申し込む。
- 協同組合経由で申し込む。
発行元のNEXCO道路会社に直接申し込む場合は、金融機関が発行した支払保証書、または保証金の預け入れが必要で
金融機関からの支払保証書は、付き合いが長く信頼関係にある金融機関でないと手に入りません。
保証金は月の支払い予想額の4倍で、それが10万円より少ない場合は10万円が保証金になります。
つまり保証金の最低額は10万円。
ETCコーポレートカードを発行元のNEXCO道路会社に直接申し込むのは結構ハードルが高いわけです。
一方、協同組合から申し込む場合はまず組合に加入して組合員にならなければいけません。
そのために出資金10,000円が掛かります。
クレジットの審査がありませんので、後払いで支払いをするという信用を得るために組合に加入する事が条件になっているんです。
発行元のNEXCO道路会社に直接申し込む場合の保証金は最低額10万円。
協同組合から申し込む場合は出資金1万円。
NEXCOに直接申し込む人はまずいないでしょう、協同組合を選びますよね。
それでもやはり、出資金10,000円はちょっと高いですかね。
退会するときは戻って来るお金ですが、カード作成時には初期費用として、この金額を払わなければなりませんのでデメリットとしました。
月間の利用額が多くないと、割引されません。
月間使用料が5千円に満たない場合は「大口・多頻度割引」「阪神高速・首都高の割引」が適用になりませんので、道路利用額の少ない人はETCコーポレートを作る必要はないと言えます。
さらに言うと、ETCコーポーレートカードを使った方が圧倒的に得になるのは月間使用料が3万円以上になる場合です。
対象道路が限られる
東・中・西日本高速道路(株)、首都高速道路(株)、阪神高速道路(株)、本州四国高速道路(株)以外では大口・多頻度割引は受けられません。
使える車両は登録車両だけ
前述のように使える車両は登録車両だけです。それ以外の従業員の車、レンタカーなどでは使えません。
つまり一枚のETCコーポレートカードを複数の車で使い回しする事は出来ません。
逆に言うと一台づつ、しっかりと管理出来るという事です。
ETCコーポレートカードが事業用のETCカードと言われるのはこういった面ですね。
登録車両以外で使っても違反にはなりませんが、割引は受けられませんよ。
ETCマイレージサービスは受けられない
高速道路を頻繁に使う人であればETCマイレージサービスに登録して使用料金に応じてマイレージポイントを貯めて、それを料金支払いに還元する事が出来ます。
しかしETCコーポレートカードではETCマイレージサービスに登録する事は出来ません。
補足:首都高・阪神高速はETCマイレージサービスのポイントは付きません。
首都高・阪神高速で割引を受けられるのはETCコーポレートカードだけです。
協同組合のETCコーポレートカードのメリット、デメリットのまとめ
メリット
- 通常のETCカードの割引+ETCコーポレートカード独自の割引が受けられる。
- 車両の管理、経費の管理が向上する。
- 申し込み時に必要な枚数が設定できる。
- クレジット審査がないので新規会社、赤字経営の個人事業主でも作る事ができる。
デメリット
- 組合に加入するのに出資金1万円が必要(退会時には全額返金)
- 月間の利用額が少ないと割引が少なくなる。(利用額が少ない場合は作る意味がない)
- 車両が限定される。(レンタカーなどは使えない)
決まった車両で高速道路をたくさん使う会社は協同組合の法人ETCコーポレートカードを使わないと損というレベルです。
ETCコーポレートカードさらに詳しく↓
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以上「協同組合の法人ETCコーポレートカードのメリット、デメリット」という記事でした。
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